住宅の建築時からお問い合わせを頂き、建築と庭のプランが同時進行で進んでまいりました。T様の庭は、住宅正面の「観る庭」と住宅側面の主庭は菜園用などの「使う庭」として大きく2つに分けました。正面はT様が住宅側から観るためと、客人が外側から観るのと両立を図らなければなりません。どちらにも応えられるよう数々の樹木でセミクローズドにし、樹木で住宅を引き立たせるとともに庭の中にいて落ち着けるよう配慮しました。ポーチ横のコンクリートパーテーションの丸窓からはちょうど手水鉢の景色が切り取られ、来客の方が楽しんで頂ける丸窓になりました。
主庭側はごらんの通りの最高のロケーションで、これを生かしつつも自宅の庭と借景の自然の境界をそれとなく区別しました。こちらはもともと斜面だったので境界沿いにコンクリート擁壁で土留めをし、まずは大きな高低差を埋めました。さらに庭園内は石積みで3段階の段々畑になっており、真ん中に石の階段を挟むことによりそれも分断し、全部で6フロアの分けられたお庭になっております。庭を分けるとそれぞれの使い方が明確になり、畑には輪作するにも大変管理しやすくなります。
T様のお庭にはご実家の滝川から移送してきた木も住宅正面側に配し、たくさんの鉢物の草花も早速庭に散りばめられました。施工1年後におじゃました際には、向こう側が見えなくなるくらいたくさんの緑が入っており、特にトマトの大きさにはびっくりしました。ご家族皆さんが仲良く庭を楽しんで頂いているのがとても良く伝わります。長期に渡っての大工事、誠にどうもありがとうございました。
Design kosaka